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キャボット社の工業用ゴム製品用のグレードはほとんどの用途向けに供給しております。工業用ゴム製品の用途は様々で、押出製品、ホース、ベルト、被覆材料、屋根材、遮水シート、フィルム、ロール被覆材料、防振材料、燃料電池、振動板、ガスケット、Oリング、チューブ、履き物、発泡絶縁チューブやシートなどの用途に弊社のカーボンブラックをお届けしております。
 
多様な工業用ゴム製品の要求特性は様々あり、一般的な機械的特性、流動特性、浸透性、導電性、耐摩耗性、粘弾性特性などの広範囲なゴム特性が求められています。また、多くの種類のゴムが用途により使い分けられています。ゴムとしては、SBRNRBRIRNBREPDMCRIIRHNBRPPO ACMFKMなどが挙げられます。
 
ここでは、カーボンブラックがそれぞれの用途の特性にどのような影響を与えるかを簡単にご説明いたします。
 
押出製品
押出製品は、押出成形機により製造されます。未加硫のコンパウンドが押出成形機にて製品形状に押出され、加硫されます。押出製品としては、自動車のウェザーストリップ、フード、トランクのシール材、建築用シール材、船舶コンテナ用シール材、チューブ、家電用シール材、ワイパーのブレード、ガスケットなどが挙げられます。
 
押出製品の要求特性は、形状安定性表面に欠陥がないことです。形状が常に一致することで密閉性が優れます。完璧な製品の外観品質を求める自動車メーカーは完璧な製品表面の品質を求めています。その他の要求性能として、低い圧縮永久歪み耐熱劣化性耐引裂性耐摩耗性などが挙げられます。
 
押出製品には、Sterling 66305630  SOVHVNSNS1Spheron 5000 6000、シヨウブラックMAF、N550、N762などのソフト系カーボンブラックが広く使用されています。これらのグレードは、混練り時にゴムへの分散がし易く、押出特性が優れています(これらのグレードを使用しても未加硫成形品は"へたりません")。また、充填率が高いため、コンパウンドのコストを低減することができます。
 
押出成形
ゴムコンパウンドを押出成形機に投入し均質化され、ダイを通して押出しされます。その後、加硫装置(熱風、UHFなど)で連続的に加硫され、必要な長さに切断されます。次に、押出製品にとって重要なカーボンブラックの物理的特性について説明します。
 
OAN/COAN ストラクチャーの高い(OANが高い)グレードはゴムへの分散性が向上し、押出時のダイスウェルが小さくなります。一般的な押出製品向けにOAN100 ml/100 g以上のグレードが使用されております。
 
グリット: ゴムの混練り工程では、異物、コークス、ブロック状のカーボンブラックは分散されず、押出成形品の表面に欠陥が生じます。そのため、スクラップ率が高くなり、コストが高くなります。あるお客様の場合、スクラップにかかる費用は年間で6,000万ドルになり、売上の約6%を占める例があります。グリットがすべてのスクラップの原因ではありませんが、一般的に製品表面の欠陥はスクラップ要因の1つです。
 
ペレットの品質: ご存知のとおり、ペレットの品質は分散に影響を与えます。優れる表面の外観品質と押出製品の寸法安定性が求められる押出製品はカーボンブラックを充分に分散させることが必要です。混練が不充分の場合は押出成形時にバラツキが生じる可能性があります。特にスポンジ用途ではその影響を受けやすく、中空成形ではバラツキがさらに大きくなります。また、多くのお客様は原材料の搬送システムを採用しています。ペレットの品質が低下すると微粉量が多くなる可能性があり、搬送システム内で閉塞等が発生します。ペレット品質の変化により混練機のチャンバーへカーボンブラックを投入するのに、通常の6倍も時間がかかる場合があります。
 
品質の安定: この項目は不明確と思われるかもしれませんが、この用途にとって非常に重要であり現実的な問題です。カーボンブラックの物理特性だけでは、すべてを分析できないため品質の安定性も判断することはできません。品質の安定性は、コンパウンドの種類によっては肉眼でも測定します。我々の工程変更が、カーボンブラックの物理特性に影響がない場合があります。ただし、しばしばこれらの変更はコンパウンドのスコーチ、粘度、分散、押出製品の表面の外観品質にはっきりと違いが現れる可能性があります。自動車メーカーは事業拡大しようとするとき、我々が常に安定な品質の原料を確保するよう、ますます我々の工程への関与を及ぼそうとしています。
 
ホース
ゴム製ホースの主要なタイプとして、耐圧用と非耐圧用の2種類があります。さらに、補強型ホースと非補強型ホースとに分類できます。キャボット社では非補強型ホースはチューブと位置付けています。ほとんどのホースは押出成形により製造されます。ホースは空気や燃料のような種々の原料や力を運搬・伝達するために利用されています。この運搬・伝達機能により、ホースの重要な要求特性が決まります。次のような製品があります。
 
燃料用ホース:  燃料用ホースは、炭化水素の排出削減規制のため、燃料の透過性を低くする必要があります。燃料用ホースでは、その透過性を低くするため、非常に薄いFKM内層を使用しています。混合燃料(メタノール、エタノールなど)などの極性を持つ溶剤に対しては、その耐性が優れるホースが必要になります。一般的に、ゴムにカーボンブラックを混ぜることで、ガソリン透過性と溶剤の膨張が低くなります。
 
ラジエータホース:  ラジエーターホースは、高温になった冷却水の耐性が重要です。さらに、ホース自体が熱くなるので熱劣化特性も重要になります。また、静電気による亀裂破壊も課題となっています。この課題に対しては電気抵抗が高いグレードを使用することで解決できます。 
 
耐圧ホース: ほとんどの耐圧ホースは補強されています。重要な要求特性は、水圧のかかった液体に対する強度と耐性です。
 
工業用ホース:  工業用ホースには、水および蒸気用ホース、空気用ホース、油および燃料用ホース、冷媒用ホース、食品向けホース、化学製品用ホースなどの多様な用途があります。溶剤や化学物質に対する強度と耐性が重要な要求特性となります。
 
ホース成形: まずホースの内層を押出します。その表面上に糸を編みこみ、その上にカバー層を押出します。押出成形された未加硫のホースは、長さを切り揃えて心金で加硫します。
 
ベルト
ベルトの主な機能は、特定の場所から別の場所へ力やエネルギーを伝達することです。この力によって機械装置を動かしたり、原料を運んだりします。ベルトに求められる基本特性はどれも類似していますが、特定の用途に合わせて使用されています。ベルトにはタイミングベルト、伝動ベルト、コンベヤーベルトの3種類に分類されます。
 
タイミングベルト: タイミングベルトは、ベルト上のリブがギアの歯車にぴったり合い、ギアセットと噛み合うように設計しています。正確にギアを回転させ、それによりエンジンや機械装置を適切に機能させます。
 
伝動ベルト:様々な伝動ベルトが上市されており、自動車用、工業用、採鉱用などの用途に使用されています。伝動ベルトは、駆動軸からの動力を受け取り、他の軸にエネルギーを伝達します。その結果、同じモーターによって複数の軸の駆動できます。伝動ベルトの使用で、動力源から離れた場所へエネルギーを伝達することもあります。
 
コンベヤーベルト: コンベヤーベルトを使用して、あらゆる種類の原材料を効率よく長距離の運搬をします。長いリボンとして通常は製造され、コンベヤーに設置する時に両端を接続します。
 
ベルト成形: ベルトは通常、2つの工程から製造されます。タイミングベルトと伝動ベルトは、タイヤと同様な工程で製造されます。まず、ライナーのような層をドラム上に置きます。次に、補強層とゴム層を適度な厚さに達するまで重ねます。タイミングベルトは、表面にリブを形成します。さらに、小型のオートクレーブで加硫し、適切な幅に切断します。コンベヤーベルトは、通常は長いリボンとして製造されます。ゴム層と繊維層を適度な厚さに達するまで基部上に重ねます。その後、熱風やUHFなどの方法で加硫をします。そして、用途に合った長さに切断されます。 
 
金型成型製品
金型成型製品とは、金型を使用して目的の形状に成型された製品です。製品には、振動板、防振部品、ブッシュ、空気バネ、シャーシバンパー、パッド類、ブーツ、ワイパーブレード、バンド、コンベヤーホイール、グロメットなどが挙げられます。 
 
金型成型: ゴムコンパウンドを高温の金型に入れます。さらに、圧力をかけて加硫して成型します。
 
次に、金型成型製品の例をいくつか示します。
 
モーターマウント: マウントは、シャーシからモーター振動を防ぐために使用されます。要求特性は、静的弾性率と動的弾性率との比が一定であること、耐久性が高く、高温引裂抵抗、耐熱老化性になります。
 
成型シール: 製品として、オイルシール、空気シール、断水シール、断熱シールなどがあります。要求特性は、耐油性や永久圧縮歪みなど様々です。
 
パッド: この用途には、特定パターンのゴムシートがあります。この用途ではコストが重要です。パッドの用途によって、耐錆性、耐溶剤性、耐熱性などあります。
 
ゴムの特性へのカーボンブラックの影響
カーボンブラックはゴムの補強剤として、コンパウンドの主要な原料として、ゴムのあらゆる特性に大きな影響を与えます。次の表に、これらの影響についてまとめました。


I: ゴムの特性に対するカーボンブラックの影響

特性
大きな影響
中程度の影響
小さな影響
粘性
X
硬化速度
X
押出し性
X
濃度
X
硬度
X
強度(抗張力や引裂強度など)
X
係数
X
弾性
X
圧縮永久ひずみ
X
経年劣化
X
動的特性
X
耐摩耗性
X
疲労
X
低温特性
X
耐溶剤性
X
耐食性
X
導電性
X
耐紫外線性
X
UHF感受性
X
その他の特性
X
X
X
コスト
X